某大手企業様からのご依頼で「九州の自然・風景・祭り」というテーマで撮影するお仕事をしています。 今年のお盆には、島原の精霊流しの取材に伺いました。
島原の精霊船は、竹とワラで出来ています。長崎の船と違って、本当に海に流すためです。島原独特の「切子灯篭」で飾られた船は、長崎のものとはまた違った風情がありました。背後にはライトアップされた島原城が…
この日はちょうど台風が近づいて来てて、船が出るのか心配しながら現地に向かいました。例年でしたら船は海に出るのですが、今年は台風の影響で残念ながら…でも沢山の切子灯篭で飾られた精霊船は、とても幻想的で美しかったです。
次第に空が暗くなり、灯篭の灯りが映えてきました。担ぎ手の「ナマイド~ナマイド~」の掛け声が珍しかったです。後で地元の方に伺いましたがこれは、南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)→ナンマイダー→ナマイド~ …という事で、念仏由来の掛け声でした。
切子灯篭には、本物のろうそくが入っている…というのにも驚きました。船は揺れますので必然的に灯篭にも火が…燃え上がる精霊船!…でもそこは慣れたもので、消化活動もスムーズに行われ、中から新しい灯篭が補充されるんですヨ!まるでサメの歯のようです。
この日は個展開催の前日で、準備の関係や天候の関係から、撮影に行けるのかどうかと気を揉みましたが、長崎とは全く違った精霊流しを知る事ができ、クライアント様にも写真にお褒めの言葉をいただき、充実した気持ちになりました。今度は「海上係留」と言われる海に浮かんだ精霊船の様子も撮りに行ってみたいです。
2019-09-08
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